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何より煙草を楽しみましょう
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高名な学者は煙草を幼児の指しゃぶりと仰ったそうですが、
遅々の物書きの身としては、筆休めの一服はさながら
貴重なアドバイザーのようでございます。
時代の変わるごとに女性、若年層の喫煙も大幅に増えたかと存じます。こと女性に関しては更に風当たりも強い事を身に沁みて感じます。
が、大いに結構。身体に悪いのは女性も男性も同じです。
ただわたくしのとっての愛煙の嗜好品は、たかだか手乗りサイズの紙箱に入れられた葉っぱでありながらさながら恋人のようでありますので、今日見受けられます往来での喫煙家の方々の粗相、ご周知の通りポイ捨てであるとか煙の行方であるとか、それらは目も当てられぬ不健全に見えてなりません。
恋人と語らうその場に赤の他人が必要でしょうか?
まして野外に捨て置く事など何故できましょう?
その不誠実とインモラルさがますます、喫煙者はひとでない
加害者という印象を強めているようで悲しく思います。
そして結果、周囲から眉をひそめられる事について
些かの躊躇も羞恥も抱かないものかと辟易しております。
恐らく今後よりいっそう、喫煙者は肩身の狭い思いをするかと懸念はございます。
でも良いではありませんか、胸を張りましょう、喫煙家たるもの後ろめたい気持ちになっては意味がありません。
マナーだ禁煙だと騒がれる中で顔をしかめる人よりも、
失礼しましたと身を引ける人の潔さがどんなに気持ちのよい事か。わたくしは一昨年の妊娠発覚から今にいたるまで
然るべく禁煙の路を辿る事となりましたが、一抹の後悔もございません。子の自立するまで暫くの別れというだけです。
うまい煙草はいつになっても何処で呑んでもうまいのです。
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